ナガナガト act4
一言でストレートと言っても、そのストレートのイメージには人によってだいぶばらつきがあります。例えば本当に直線的で定規で線を引いたようなストレート。ざっくり見れば綺麗なストレートだが、近づいてみるとそれなりに動きもあるストレート。もしくは毛先まで大きな半円を描くようなストレート。スタイルブックに載っているストレートにはいろんな種類があります。
でもその全てが間違いなくストレートなのです。不思議ですよね。言葉としてのストレートだと一番最初のものだけが正解でしょう。しかしイメージの世界ではどれも正解なのです。
しかしそれらを髪の毛で実現しようとするとなかなか難しい。方法はいろいろだが髪質や薬剤などの相性でケースバイケースだ。
前回アイロンでカールを作るときの危険性について書きましたが、あれは縮毛の時にも当てはまることなんです。厳密にはいくつか違いはありますが、縮毛の時にアイロンの操作だけで少し内巻きになんてのは実は危険なことなんです。美容師による「少し内巻きっぽくアイロンしておきますね」と縮毛の時に言われるとなんだか嬉しくも感じる。しかしこれこそブローとしての仕上げ時のアイロン処理と縮毛矯正としてのアイロン処理の意味を混同してしまっている場合に出る言葉だ。
ブローの場合はその時だけ、シャンプーする時までの美しさを求めるので、この前述べたアイロンの種類によっては全然ありなのだが、縮毛は違う。
縮毛の場合は薬剤によって髪の毛の中の結合を切った状態でアイロンを当てているのだから、とてもデリケートな、そして危険な状態の髪だという事だ。アイロンの角度調節して丸みをつけたり、エッジを利用してカールをつけることは、髪の中でアイロンに近い面と外側になる面では、かなりのテンションの違いが生まれ、チリつきや、後日のダメージへとつながる。
やはりアイロンはまっすぐに通すのが正しいのだ。曲げたいのであればアイロン後デジパで巻くべきだろう。
完成後のイメージと髪の中でおこっていることのイメージ、この両方が頭の中にないと本当の意味での優しさにはつながらないのではないだろうか。
常に自分に言い聞かせながら仕事をしたい。